この記事は、貨幣状湿疹を治すために「ステロイド治療」を実際に受けた体験談です。治療を受けてどうなったか?副作用はあったのか?など、貨幣状湿疹の治療について思うことをざっくりとまとめています。これからステロイド治療を受ける方、不安に感じている方は、良かったら参考にしてみてください。
貨幣状湿疹になって「ステロイド外用薬」を使うようになった
貨幣状湿疹のおもな治療方法として、登場するのが「ステロイド」です。
貨幣状湿疹になって皮膚科で診てもらうと、ほとんどの場合、受け取る薬は「ステロイド」ではないでしょうか。なかには副作用があると耳にして、不安に思っている方もおられるかもしれませんね。
どうして貨幣状湿疹になったか?
わたしが貨幣状湿疹になったのは、大人になってからでした。もともと、お肌は乾燥しやすいタイプでしたが、原因はよくわかりません。皮膚科の先生からも、はっきりとした答えはありませんでした。
思い当たるのは、睡眠不足、食生活、そしてお肌の乾燥でしょうか。健康には気を付けているつもりでしたが、夜更かしをして12時を過ぎても眠らないことがありましたし、あまり体に良くなさそうなジャンクフード的なものも食べていました。
日頃の不摂生で体調が崩れ、お肌に出てきたのかもしれませんね。
皮膚科で処方された「ステロイド外用薬」
はじめは気にならないほど小さな湿疹でした。「しぶとい湿疹があるなぁ、そのうち治るだろう」と放っていたのですが、いつまでたっても治りません。
そこで、皮膚科で診てもらったところ、処方されたのが「ステロイド外用薬」(塗り薬)です。詳しい検査などもなく、ぱっとみて薬を渡されました。最初の皮膚科では病名すら分からないままで、「湿疹」としか言われませんでした。
不安に思って何件か皮膚科を回り、やっと「貨幣状湿疹」だと判明。どこの病院でも処方される薬は「ステロイド外用薬」でしたね。そのほかには、抗ヒスタミン剤、保湿剤などがありました。
ここから、ステロイドの治療が始まることになります。
「ステロイド外用薬」を塗ると湿疹が落ち着いた!
わたしの場合は、足に貨幣状湿疹ができていました。最初はもっと小さな湿疹だったのですが、いびつな円形状に広がっています。かゆみも強かった。かさぶたみたいに皮膚から盛り上がってますね。
皮膚科でもらった「ステロイド外用薬」(塗り薬)を2週間ほど使うと、ずいぶん症状が落ち着きました。肌の赤みもとれて、湿疹が平たんに茶色くなっていきました。ただ、無理やり湿疹を押さえつけているような、肌の奥側にザワザワした感覚があったのを覚えています。
しばらく皮膚科に通い、ステロイド治療をしていました。しかし、「ステロイド外用薬を使うと良くなる」「やめると出てくる」という状態が続いていました。
副作用?ニキビ、便秘、自家感作性皮膚炎が出てきた
ステロイド外用薬(塗り薬)を塗った部分は良くなるのですが、塗っていないところに新しい小さな湿疹が出てくるようになりました。腕、手の甲、太ももなどにポツポツ。
また、顔、首、耳の裏側に「ニキビ」ができるように……。時々、ニキビができることはありましたが、首、耳の裏側にできるなんて初めてです。
その他には、ステロイド外用薬を塗ったところだけ、皮膚がうすいビニールの膜みたいな状態になっていました。わたしは「ビニール肌」って呼んでいました。そして、そこから何故か濃い毛が生えていました。不思議です……。
いろいろな変化があった事から「もしかして、副作用が出たのかな?」と思い、皮膚科で診てもらいました。
先生は副作用だとは言わず、「あぁ、ニキビが出てきているね。足の貨幣状湿疹は良くなっているから、もうしばらく薬を続けたら治る」とおっしゃいます。わたしは内心、「本当に続けて大丈夫ですか……」と不安でいっぱいになったのを覚えています。
小さな湿疹は、「自家感作性皮膚炎」
小さな湿疹がポツポツ増えていたですが、それは「自家感作性皮膚炎」という別の皮膚炎でした。※写真は、自家感作性皮膚炎が悪化していた頃のものです。
貨幣状湿疹が治らない状態が続いていたため、自家感作性皮膚炎のもととなる物質(アレルゲン)が体中に回ってしまっていたそうです。
自家感作性皮膚炎について記事も書いているので、良かったら読んでみてください。
「ステロイド内服薬」が処方された
「貨幣状湿疹」と「自家感作性皮膚炎」を抑えるため「ステロイド内服薬」(飲み薬)が処方されました。
ステロイド内服薬は、ステロイド外用薬よりも強力な感じがします。わたしは、飲んだ時に胸のムカつきがあり気分が悪くなってしまいました。
体に合っていなかったのかもしれませんが、治したい気持ちがあって飲み続けることにしました。ところが、飲み始めてから「便秘」がひどくなり、1週間以上も出ないようになってしまいました。かなりお腹がはって苦しかった……。
ただ、「ステロイド外用薬」「ステロイド内服薬」両方で湿疹を抑えているので、薬を使っている間、貨幣状湿疹の症状は落ち着いていました。ニキビ、便秘は続いていましたね。
ショック!ステロイド治療をやめたら悪化してしまった
皮膚科の先生から「もうしばらく薬を続けて使い切ったらやめたらいい」と言われ、ステロイド内服薬、外用薬、保湿剤などを2週間くらい使い続けました。そして、薬をやめました。
しかし、薬をやめてしばらくすると、また貨幣状湿疹が出てきてしまったのです。ニキビや自家感作性皮膚炎も、以前よりもさらに増えてしまいました。
皮膚科へ向かい、先生に相談します。すると、またステロイド外用薬と内服薬が使うと言われるのです。しかも、前よりも強い種類の薬になっています。
もう、いたちごっこのような生活に耐えられなくなっていました。
「湿疹の原因は何なのでしょうか?」「薬が合っていないのでしょうか?」と堪らず先生にたずねてみましたが……。その答えは、「湿疹ができやすい体質だから」「どこに行っても同じ薬になると思うよ……」
目の前が真っ暗になりました。先生の言われるとおり、湿疹ができやすい体質なのだろうと思います。だけど、「じゃあ、薬を使い続けないと治らないということ!?」と悲しくなってしまったのです。
結局、薬をもらいましたが、もう皮膚科へは行かなくなりました。なんだか、先生のことを信じれなくなってしまったのですよね。
※わたし自身は独断で皮膚科に通わなくなってしましたが、ステロイド治療をやめる場合は医師に相談することをオススメします。
ステロイド治療について思うこと
ここまでが、ステロイド治療の体験談です。
ステロイド治療を振り返ってみると、貨幣状湿疹が大きくなってしまう前に病院へ行っていれば、違う結果になってかもしれませんね。「さっと治ればよかったのになぁ」が正直な気持ちです。しばらく通っただけで治る人もいるでしょうからね……。
ステロイド治療に対して、いろいろな考えがあると思います。
この記事を読んでくださっている方は、ご自身が貨幣状湿疹で悩んでいるか、あるいはご家族、友人が貨幣状湿疹の方だと思います。病院に通ったものの、なかなか治らないのでステロイド治療に疑問を持たれたのでしょう。
私自身は、ステロイド治療自体は悪いことだとは思いません。病気の種類によっては、命をつなぐ大切な役割をしているものだと考えています。
貨幣状湿疹の場合も、湿疹が広がるのを抑えて、症状を和らげてくれます。しかし、貨幣状湿疹の炎症を抑えてくれますが、治してくれるわけではないのですね。
ステロイド外用薬を塗ると、みるみるお肌が落ち着いていくので治っているように感じますよね……。でも、炎症が落ち着いているだけなので原因が解決されないとまた出てくる可能性が高い。
しかも、その原因が生活環境によってさまざまなので判断が難しいのではないでしょうか。やっかいですよね。
ステロイド治療をしても良くならないという方は、本当に困っておられると思います。役に立つかわかりませんが、参考にしてもらえると嬉しいです。
ステロイドをやめてから、わたしは激しいリバウンドの症状がありました。こちらも体験談として記事にしていますので良かったらご覧ください。